白内障は、眼の中にある水晶体という組織が濁ることにより発症する病気です。水晶体は、直径が11mm前後で、カメラでいえばレンズの役割を果たしています。ですから、物を見るために、とても大切な器官の1つと言えます。ほぼ透明なラグビーボールのような形をした水晶体が、外から眼に入ってくる光を屈折させ、ピントを合わせて網膜に像を写します。
その重要な役割を担っている水晶体が濁ると、眼の中に光が十分に届かなくなり、薄暗く見えたり、また光が乱反射し、逆に眩しく見えたりモノが二重に見えたりすることもあります。どちらにしても、見えづらくなり、視認性が落ちます。
視力が落ちて初めて眼科を訪れ、白内障と診断される方もたくさんいらっしゃいます。また、白内障が発症して片眼が見えにくくなった状態でも、もう片方の眼で見るなどして放置してしまう方が多いのも事実です。痛みがないことも受診を遅らせる原因の1つと言えるでしょう。
白内障の濁り方には数種類あり、初めから視力を障害し、自覚症状が強いタイプもあれば、進行していても気付きにくいタイプもあります。 視力に左右差があり、片眼の視力低下を自覚されない場合もあります。